時計の針が夜11時半を回りました。
「そろそろ寝ようか」と、主人が腰を上げます。祈祷会の後、集会の恵みを話し合っているところでした。
寝る前に、子供たちの明日の時間割表を見てみます。家から用意していかなくてはならない物が書かれていることがあるからです。
幼稚園の方は特になし。小学校の方は「体操服持参のこと」と書いてあります。
あら大変。確か、今日も体育の時間があったはず。汚れていることでしょう。少しくらいの汚れなら、明日もそのまま持っていかせようと、洗濯かごの中に入れてあった体操服を出してみました。ひどい汚れようです。どんなことをしたらこんな風に汚くなるのかしら?これでは、とても持たせられそうにありません。大抵のことには、「構わない構わない」という主人も、この汚れには「ちょっと洗濯してやったら・・・。」
12時半。室内の空気が下の方から冷えてきました。私は、赤々と燃えるストーブの前で、長男の体操服を乾かしているところ。ズボンの方は、すぐに干せましたが、スポーツシャツの方が、生地の関係でしょう、まだしっとりと水気を含んでいます。特にそで口とすそは、二重になっているので、なかなかです。
そばのベッドでは、子供たちがぐっすりと寝込んでいます。昼間は、元気が良すぎてうるさいくらいですが、今はなんだか静かすぎて物足りないような感じさえします。
このごろは、反抗的な口をきくようになり、私をカッカとさせることの多くなった長男も、今は幼い七歳児に戻って気持ちよさそうに夢の中。
今日は、幼稚園でしかられたとしょんぼり帰ってきた次男も、楽しい夢でも見ているのでしょう。口元がほころんでいます。
末の美和は、お気に入りのキリンの模様のついたタオルケットを口元に当てて、満足気にすやすやと寝息をたてています。
それにしても、眠いこと。明日の朝、アイロンをかけて間に合わせようかしら。いやいや、明日は次男がお弁当を持っていく日。三学期は、長男も次男も、同じくらいの時間に家を出るので、朝はばたばたと忙しいのですから、余分な仕事はない方がいいのです。やはり、今のうちに用意しておきましょう。
息子たちが、幼稚園や小学校へ行くようになってから、発表会の衣装作り、バザーへの出品物作成等々で夜更かしすることが多くなりました。
屈託なさそうに眠っている子供たち。彼らは親がこのようにして準備していることを知らないのです。明日は、当然のことのように「お母さん、体操服!」と言うことでしょう。
今までつきあっていてくれた主人も、眠っている子供たち一人一人の頭の上に手を置いて祝福のお祈りをしてから、自分の部屋に引き上げていきました。
静まりかえった部屋の中。み言葉が浮かんで来ました。
「見よ。イスラエルを守る方は、まどろむこともなく、眠ることもない。」(詩篇121篇4節)「主はその愛する者には、眠っている間に、このように備えてくださる。」(詩篇127篇2節)
父親よりも、母親よりも、さらにさらに大きな愛で私たちを見守っていてくださるお方。私たちの全生涯に、最も良い物を備えていてくださるお方。すばらしい神様のご臨在に、淋しさが紛れます。